朱夏 

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同類 (山南+井上)

「遊歩道」tama様から頂きました。




【 同類 】



「山南さん、ちょっといいかね?」

 襖の向こうでいつもと同じように声をかける人影。

「・・・えぇ、構いませんよ。どうぞ。」



 今や剣も握れぬ落ちぶれた存在の我が身。
 それでも彼は以前と変わらず私の前に頻繁に顔を出す。

「すまないね。また文を預かってしまってね。申し訳ないが頼めるかい?」

「またですか。・・・流石に少しお灸を据えねばなりませんね。」


 人の良さをそのまま顔にしたような人だから呑み屋の女将も頼みやすいのだろう。
 仮にも相手は泣く子も黙る新選組六番組組長だというのに・・・。
 呆れながらもそれが彼の良さなのだと一人ほくそ笑む。
 年も立場も全く違うが、思えば長い付き合いになったものだ。

 他の幹部と違い剣はおろか、体術とて秀でるものはない。
 それでも。
 きっと彼の思うところと私のそれは変わらぬものだと疑うことはない。
 表か裏か。
 ただそれだけのこと。

「いいかげんに自覚を持って欲しいものですね。」
 手にした文を一読する。
「自覚があるからこその文ではないのかい?」
 柔らかい笑みを浮かべながら説く言葉の意味を考える。

「・・・そうかもしれませんね。ですが、これが通るのであれば、他の隊にも平等に
 振舞わなくてはなりません。」

 呑み屋の清算書。
 月を追うごとに金額は増す一方だった。
『なるほど。組の隊士を引き連れての金額ですか・・・。』
 彼らしい。そうは思っても彼だけを特別扱いすることは隊規の乱れを生じかねない。

「同じことをしても原田くんはこうはならないのですがね。」
 呟きながらも、すでに諦めのため息が漏れる。
「酒の量が違うのかもしれないね。」
 朗らかに笑いながらサラリと受け流すその言葉に一つの可能性を見出した。

「申し訳ありませんが・・・。これはあなたにお任せしてよろしいでしょうか?」
 決して投げやりになったわけではない。
 むしろ、このほうが効き目があるかと思ったまで。
「私にかい?」
「えぇ。私より言葉に重みがあるのではないかと。」
 その言葉に彼は更に笑みを深くする。
「そうだねぇ。だてに年は重ねていないからねぇ。」
 本当に楽しそうに笑いながら吐く言葉に、私は内心で呟く。
『この人も食えぬお人だ。』


「ではこの仕事は私が譲り受けましょう。」
「よろしくお願いします。」
 本心から尊敬の意を込めて一礼する。

 以前と変わらぬ態度に。
 組を思うその心意気に。


「私もたまには隊士を連れて豪遊でもしようかね?」
 去り際に吐く言葉にさえ感謝する。
「ご冗談を。」


 彼無くしては今の新選組は在りえない。
 その存在に感謝を--。


  - 終 -



えぇ…六番組組長のあのお方です…。
 彼は「怒る」のではなく。「叱る」人だと思います。
 …新選組の良心です。
 大好きな二人を一緒に頂けるとは…。何とも豪華なプレゼント。ありがとうございました。

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