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朱夏 

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アタタカイ ハート(平助。ver)

ちょこ様へ。小さなおまけを…


アタタカイハート(平助ver)



左之さんの隣席を、互いに牽制し合いながら虎視眈々と狙う姐さん達には、いつもなら圧倒される。
みんな。
左之さんに優しくされたくて仕方ないんだ。
「どうした?」って訊ねられたくて、うずうずしているんだ。

僅かな変化も見落とさず。
ささやかな心の揺れも、さっと汲み取る。
俊敏に相手を悟ることが出来るというのは、左之さんの天性だと思う。
優しいからじゃない。
でもー 偽りじゃないから罪深いんだよね。
千鶴は努めて感情を表に出さない様にしているけれど、それでも幼いから。
無意識にそれが漏れていても気付かない。
自分と一緒に左之さんの話をしている時。仄かに頬を染め、眼を潤ませている事。
「原田さん」と呼ぶ時に。ほんの一瞬、ためらうような間を置くようになった事。
ささやかな事だけど。
その変化が俺を苛んでいるなんて、思ってもいないだろうな…。


せっかく左之さんの隣にいたのに、姐さん達に弾き出されて、千鶴は俺の隣に座った。
「凄いんだね」
ぽつり。
芸妓に取り囲まれながらも、飄々とそれをいなす左之さんを見て、茫然と呟く。
ここへ来るまで「皆と一緒に出かけられる様に、原田さんが土方さんにお願いしてくれたの」と嬉しそうに話していたのに、すっかりしょげ返ってしまった。
「商売なんだから、気にすることないって」
そう励ましてやったけれど、聴こえている様には思えない。
他のみんなは、千鶴が初めての宴席に馴染めず、緊張していると思ったのだろう。
声をかけ、あれこれと世話を焼き出した。
その好意に応える様に、千鶴が笑う。はしゃぐ。


無理しちゃってさ…。


俺は痛々しくて、見てられない。
だからつい、取って置きの情報を教えてやる。
「だけどな。左之さん、笑ってねぇから…」


ざわりっと、殺気を感じる。
ふうん…
そんなに嫌なんだ。俺が千鶴に耳打ちしたのが。
左之さんからの剣呑な視線が可笑しい。
馬ぁ鹿。
あんたは日頃、そう俺を笑うけれど。
本当に馬鹿なのは…あんただろ?


気付いてなかった?。
ー 日頃、自分がどれだけ優しい眼で千鶴に笑いかけているか。
あれだけ人の事は見えるのに。
自分のことは全く気付かないなんて、最高の冗談だ。
そんなんじゃ まだ。
もしかして、千鶴の気持ちも判ってない?…。

だとしたら。
俺が参戦する余地があるってことか…?。


左之さんの本気の笑顔に気付いて、震えている千鶴を見ながら。
ふと。
諦めるのはまだ早いかもしれないと思った。




                 (終)



「アタタカイハート」の左之さんverを書いている時に生まれた、もう一つの小さな呟きです。
こちらもちょこ様に贈らせて頂きました。


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