朱夏 

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金風

noritsuma様へ贈らせて頂きます。
「秋の風」&「甘い香り」へのお返事代わりに…。





金風




秋の風に混じる甘い香りにふと、足を止めた。
懐かしく思うものの、それがどの花の香りなのか思い出せずにいた。

「どちらからの、お土産でしょう」
玄関で出迎えてくれた千鶴は、ほわりと笑う。
「土産?…」
自分の手に在るのは、朝、持って出た包みだけ。
千鶴の言う『土産』の意味が判らず。斎藤はただ困惑して顔をしかめる。

「ここ…」
よろしいですか?。と声をかけ。
背伸びをした千鶴は、袂を抑えながらそっと斎藤の髪に手を伸ばす。
細い指先に摘まれたそれは。
季節の変わり目に香る、黄金色の小さな花だった。

「…そうか。これだったか」
忘れていた、秋の花。
「こんな素敵な香りを持ち帰られたこと…気付いていなかったのですか?」
「あぁ…そうだな。既に香りに酔いしれていたのかも知れないな」

宝玉を扱うかの様にそっと小さな花を掌に移し、嬉しそうに見つめる千鶴ごと。
長く咲くことの無い花の、香りの記憶を長く留めておきたくて。
ゆっくりと。
両の腕の中へと引き寄せ、包み込んだ。










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Author:みゃう
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