朱夏 

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咲く、日

【皓月庵】ちょこ様から挿画を頂きました。







咲く、日


沖田の眼の先には桜の古木がある。
樹齢百年を越えると言われているが、毎年必ず鮮やかな花を咲かせてきた。
幼少の頃、沖田もここへ花見に連れられてきたことがある。
ほわりと風に躍る花。うららかな春の陽射し。家族と過ごした穏やかな記憶。
だが、今は。
昨年の台風によって無惨に大きく折られたままだ。

もう一つ、沖田には花に重なる記憶があった。
自分は、時を計る砂の様に絶え間なく花びらを降り落とす桜のもとにいる。
乾いた喉からは、ひゅうひゅうと掠れた音しか出ない。
それが叫びたい名前にならない事に苛立って、悔しさに喉を胸を掻きむしる指先から、ほろほろと自分が崩れだす。
痛くはない。ただ。
桜色に透けていく自分の傍らに、誰かが居た事を示す影があったことが切なかった。


咲く、日1


あの桜は今年は咲かない。
だが来月には切り接ぎを試みると聞いた。
別の命を得て、きっとまた新たな花を咲かせるのだ。

人の記憶はどこまで遡れるのだろう。
呼びたかった名前、消えていく自分を見届けたのは誰。
現実か、夢かも判らない。
それでも確かな記憶としてあるのなら。
あの桜と同じようにーいつかきっと甦る。
沖田はそっと、その時を待ち続けている。
咲く、日2










「咲く、日」はいつか必ず、ここへ還る日。

【皓月庵】ちょこさんの描かれた総ちゃんの「何を待っているような」表情が大好きで…
決して背景が桜の木と言う訳でも…ましてや折れている訳でもないのですが…。
勝手な設定に置き換えてしまったにも拘らず、更に素敵な挿画も付けて頂きました。
ちょこさん、いつもありがとうございます。



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         ちょこさま




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